先週、羽生結弦が練習を公開し、今季のプログラムに4回転ループを入れることを明らかにすると『決まれば世界初』と煽りが凄かったです。
そして、その後に宇野昌磨も練習を公開して『ジャパン・オープンで4回転ループを入れるかも』と発言すると、これまた煽り報道がありました。
今まで誰もチャレンジしたことがなく、まるでこの2人だけが跳べるジャンプの様な報道でした。当然、世界初を目指して去年からプログラムに入れているアメリカのジュニアとか、数年前にプログラムに組み込んでいたケヴィン・レイノルズの存在はまるっきり無視です。
そして、そのアメリカのジュニア、クラスノジョンが4回転ループを跳びました。
大きくステップアウトして手をつき、GOEが-2.63とガッツリ引かれましたが、片足で着氷し回転は認められました。
<(アンダーローテーション)も<<(ダウングレード)も付かずにプロトコルに記載されたのは史上初になります。
ステップアウト+お手つきが『成功』と見なされるかどうか・・・。
成功と認定された場合、散々煽っていた日本のマスコミはどうするのでしょう?
クラスノジョンの存在を無視したまま、煽り続けるのでしょうか。『シニア初』とか『日本初』とかに変えて煽るのでしょうか。
どちらにせよ、ばかばかしいです。
確かに初認定は記録として残りますが、試合においては何のアドバンテージにもならないです。
4回転ループの基礎点は12.0ですが、4回転トウループをGOE満点で跳べば13.3になるし、トリプルアクセルも後半にGOE満点で跳べば12.35になります。
高難度ジャンプも跳ぶだけでは必殺技にはなり得ません。大体ジャンプ構成の難度だけで勝負が決まるなら、ショートプログラムとフリーに現在の最高難度の4回転ルッツを含む3種合計6回の4回転を入れていたボーヤン・ジンが無双しているはずです。だが、実際は昨季1度も金メダルを取っていません。
ジャンプに限った事ではないですが、難度も重要だが出来映えも重要です。どちらが足りなくても勝つことは難しいです。
なのに、難度ばかりクローズアップして無駄に煽るマスコミは本当にどうしようもないです。
ちなみに『世界で宇野だけが跳べる』といっていた4回転フリップもネイサン・チェンが入れてくるようです。こちらもどうするのかな?