本当に熾烈なメダル争いでした。
その口火を切ったのは、町田です。細かな着氷の乱れはあったものの、素晴らしい演技でした。『大飛翔』をやり遂げました。そしてパーソナルベストを大きく更新しました。羽生に大きなプレッシャーをかけました。
ただ、追い込まれた時の羽生の強さは並みでは無かったです。これまで転倒続きだった4回転サルコウを成功させたのを始めとして、かなり堪えたものもあったが、全てのジャンプを降りました。その他の要素もきっちりとまとめた結果、これまでの世界選手権同様怒濤の追い上げで、約7点あった差をひっくり返しました。その差、わずか0.33です。もし4回転サルコウが転倒だったら勝者は変わっていました。まさに『意地と気合い』そして、プログラム構成の差が勝負を分けました。
この二人を抑える可能性も低くなかったフェルナンデスは3回の4回転に成功しておきながら、3回転がすっぽ抜け。何とももったいなかったです。
最終的に羽生がヤグディン以来史上2人目の3冠達成です。町田が初出場で銀メダル。優勝スコアはソチとそんなに変わりないのに、凄い良い勝負だったと思えるのは、お互い攻めて、攻めきった結果だからでしょう。
メダルには届きませんでしたがアボットも素晴らしかったです。構成を少し落とした分、点数が伸びませんでしたが、そんなことは気にならなかったです。この演技を直に観られたことは本当に僥倖だと思います。