『オリンピックの魔物』はとてつもない牙を研いで待ち構えていました。
プルシェンコが6分間練習で痛めていた腰を悪化させて、演技すること無く棄権しました。
ジェレミー・アボットはしばらく起き上がれないほどの転倒をしました。そのまま棄権するかとも思えたのですが、最後まで演じきったのは素晴らしいです。
ケビン・レイノルズもジャンプに精彩を欠いて下位に沈みました。
しかし、自国の英雄すら容赦なく飲み込んでいった魔物に羽生は打ち勝ちました。いつもながら強靱な精神力に驚かされます。
『緊張で足が震えた』といいますが、スタート位置に付いた時の笑みからはそんな事は微塵も感じられませんでした。演技にも余裕すらうかがえました。そして、ミスの無い演技で史上初めてで唯一の100点を超えるスコアをたたき出しました。
それでも本人曰く『自分の演技にはほど遠い』だそうです(^^;) 確かにプロトコルを見ると、スピンがひとつレベル3と取りこぼしているし、トリプルアクセルの加点もいつもより少なめではありますが・・・。
高橋は、4回転こそダウングレードになってしまいましたが、他できちんとリカバリーして4位に付けました。
町田も良い演技をしていました。日本選手全員が最終グループになれるかも、と思ったら、ルッツが2回転になってしまう痛恨のミスが出てしまいました。11位と順位こそ出遅れたように見えるますが、まだ十分に巻き返せる点差です。
首位が羽生で、4点弱の差でチャンが続きます。この2人が抜け出ていて金メダル争いは一騎打ちの様相を呈してきました。
そして、3位のフェルナンデスから13位のベルネルまで11人が6点差以内でひしめき合っています。この当たりまでがメダルの可能性があるかと思います。
いずれにせよ、フリーもひとつのミスが明暗を分ける凄い戦いになりそうです。