ロシアによるウクライナ侵攻のため、ロシアとベラルーシは大会から除外されることになりました。
政治とスポーツは別とはいえ、オリンピックによる休戦が呼びかけられている期間中に開始された蛮行に対する制裁のひとつとして、これは当然のことと思います。
女子SP
北京五輪の金銀が出場出来ず、唯一の参加メダリストとなった坂本が一躍金メダル候補になりました。
そしてその下馬評通りの演技をして、首位発進です。
オリンピックの時よりスピードが出ていたように思います。最後まで流れるような演技が途切れませんでした。
点数はパーソナルベストを更新する80点超えです。
トリプルアクセルなしで80点を出すのは、ロシア選手以外では初のことです。
ルッツのエッジの判定など若干気前よく感じますが、オリンピックでも79の後半出ていましたから、試合の流れや演技の出来からいっても80点に乗ってもおかしくないです。
樋口はトリプルアクセル回避策が裏目に出てしまいました。確実にいったはずのダブルアクセルで高く跳びすぎてステップアウトしてしまいました。さらにフリップがエッジエラー判定となりました。アテンション止まりかと思ったのですが……。
スピンのレベルの取りこぼしもあり、演技構成点も渋かったです。結果、点数が伸びずに7位スタートとなりました。
河辺もトリプルアクセルを回避しました。こちらはその作戦が成功し、ノーミスの演技……と思いきや、回転不足があってやはり点数が伸びませんでした。大きな失敗をしたオリンピックとさほど変わらない点数で12位です。
他にトリプルアクセル持ちのアリサ・リュウとユ・ヨンも回避して確実な演技を選びました。結果としてトリプルアクセルを跳んだ人はいませんでした。
来年の枠取りとか、例年よりメダルのチャンスが高いことを考えたら、仕方の無いことかもしれません。
全体として、特にルッツやフリップにレビューは多くかかっていました。それ以外のジャンプやスピンもレビューになる率が高かったです。
だからといって、厳しかったというわけでもなかったです。人による、という良くないパターンでした。
日本勢では、坂本に甘め、樋口、河辺は厳しめだったと思います。
ペアSP
ロシア勢に加えて、中国勢が出場を見合わせたことによって、北京五輪の1位から5位までが抜けました。
北京五輪7位のりくりゅうペアは、メダルが期待できる状況となりました。
それがプレッシャーとなったかどうか分かりませんが、スロージャンプでミスが出て3位スタートとなりました。
ただ、演技構成点では1位です。これはこれですごいことだと思います。
1位との差は、5点ちょっとです。フリーでの逆転は充分狙えます。