2020/21シーズンの国際大会について派遣選手の選考基準が発表されました。
2020-2021シーズン フィギュアスケート国際競技会派遣選手選考基準
ペア及びアイスダンスについては、世界選手権に向けた選考基準は設定されていますが、いずれの大会も国際的な競技力を総合的に判断して決定するとなっています。出場枠は、四大陸選手権が各3、世界選手権及び世界ジュニア選手権が各1です。
男女シングルについては以下の通りになります。
世界選手権(男女とも3枠)
- 全日本選手権優勝者
- 以下の基準を満たす選手の中から選考
- 全日本選手権2位、3位
- グランプリシリーズメダリスト上位2名
- 世界ランキング上位3名
- 以下の基準を満たす選手の中から選考
- 2で選考外となった選手
- 世界ランキング上位3名
- グランプリシリーズベストスコア上位3名
全日本選手権の出場は必須ですが、過去の世界選手権において6位以内に入賞したことのある選手は選考対象になり得ます。
四大陸選手権(男女とも3枠)
以下の条件を満たす選手の中から総合的に判断して選考されます。
- 全日本選手権10位以内
- 世界ランキング上位6名
- グランプリシリーズベストスコア上位6名
世界選手権同様、過去の世界選手権6位以内の実績を持つ選手は全日本選手権に出場しなくても選考対象になり得ます。
また、『総合的に判断』という言葉に紛れていますが、出場を希望する選手が選考基準を満たした場合に選考対象となります。
世界ジュニア選手権(男子3枠、女子2枠)
- 全日本ジュニア選手権優勝者
- ジュニア対象年齢で派遣を希望する選手から以下の基準を満たす選手から選考
- 全日本ジュニア選手権2位、3位
- 全日本選手権大会参加者のうち上位3名
- 東・西日本ジュニア選手権で獲得した総合得点の上位3名
2の前提条件は、シニアに参戦してる選手でも7月1日時点で18歳以下であれば、世界ジュニアに派遣することがあるということです。
今シーズンでいえば、鍵山や佐藤駿等が該当します。
現状
今シーズンは新型コロナウィルスの影響で発表自体もこんな時期にずれ込みましたが、内容も大分変わっています。
世界選手権等は条件が被ってしまっていますが、これは例年なら3の条件は『シーズンランキング上位3名』となっていました。しかし、今年はチャレンジャーシリーズ(日本選手派遣なしが決定済み)もグランプリシリーズもポイントがつきませんので、シーズンランキング自体が出せません。
世界ランキングについても『全日本選手権終了時』と例年通りの記述がありますが、シーズンランキングがつかないということは現時点のランキングから変動がないということになります。
その現時点での世界ランキングの上位6名は以下の通りとなっています。
男子-羽生(1)、宇野(9)、田中(18)、鍵山(25)、友野(26)、山本(32)
女子-紀平(1)、坂本(5)、宮原(7)、樋口(18)、横井(22)、本田(27)
また過去の世界選手権6位以内は次の通りです。()内は最高順位
男子-羽生(1)、宇野(2)、友野(5)
女子-宮原(2)、樋口(2)、紀平(4)、坂本(5)、三原(5)、本郷(6)
これまでは過去の世界選手権の実績で選考対象となっていたのはメダリスト(3位以内)だったのですが、今年は少し緩くなっています。
これは紀平を選考対象から外さないためじゃないかと思います。
今シーズンの世界選手権は北京五輪の枠がかかっていますから、連盟としてはあまり冒険はしたくないと思います。紀平は間近の大会で日本人最上位でした。
確実性があるという意味では、出場した全大会で入賞している宮原も選考対象にしておきたいところです。
この2人は現在海外にいて何時帰国するのか分からないということもあります。帰国時に2週間の隔離が必要ですし……。
男子についてはなんといっても羽生でしょう。世界選手権における最低の成績が4位です。ソチ五輪シーズン以降は、1位か2位で、初出場だった2012年以外は常に日本人最上位です。枠取りにおいてこれほど計算できる選手はいません。
問題は……。
そもそも大きな国際大会が開けるのかということです。
新型コロナウィルスは最近また各国で感染者が増えています。入国制限している国も多いです。
ISUが大会実施のガイドラインを出しましたが、インタビュー時にマスク着用義務がなかったり、荷物をコーチに預けることが禁止だったりどこかピントがずれている感じがします。
全日本選手権開催も不透明です。
そのため今後の状況次第では、今回の選考基準に見直しが入ることもあります。