第3グループに登場した田中は、四回転で転倒、トリプルアクセルが1つ抜けてしまいましたが、コンビネーションジャンプのリカバリーもきちんとして、まとめた演技をしてSPから順位を上げて6位になりました。
優勝の期待がかかった宇野は、冒頭の4回転は着氷が乱れ、後半の4回転は膝をついてしまいコンビネーションジャンプに出来ませんでした。結局コンビネーションジャンプが2つしか入らなかったこともあって点が伸びませんでした。とはいっても、269点は十分高得点です。
ただ、この後がすごかったです。それまでとはうって変わって、良演技が続出でした。
先陣を切ったのは、ハン・ヤン。2本の4回転とトリプルアクセルを豪快かつ綺麗に決めてパーソナルベストを大きく更新して宇野を躱しました。
続く無良は、1つ目のトリプルアクセルの着氷が乱れただけで、後はきっちり決めました。スピンで点を稼げなかったこともあって、順位を上げることが出来ませんでしたが、パーソナルベストは更新しました。
そして、ボーヤン・ジン。史上初フリーで4つの4回転を成功させました。しかも4つ全てで加点つきです。他のジャンプも予定通り決めました。ジャンプに特化した滑りですから、演技構成点は出ませんが、技術点は110点とすごい数字をたたき出しました。当然パーソナルベストを更新です。SPとの合計で289点で優勝は決まり、の様にも思えました。
が、最後の最後にパトリック・チャンがとんでもない演技をしました。全てのジャンプをお手本のように綺麗に跳んでみせました。しかも、ただでさえ素晴らしいスケーティングはボーヤン・ジンの直後だったこともあってより際立って見えました。ファイナルで4回転とトリプルアクセル1本ずつで192点出したところに、4回転とトリプルアクセルを1本ずつ増やしたのですから、点数が上がるのは当然です。史上3人目のフリー200点突破を果たして、SP5位から大逆転で優勝しました。
チャンとボーヤンの得点差は0.38。実にすごい勝負でした。
日本勢は宇野4位、無良5位、田中6位と表彰台は逃すことになりましたが、表彰台組の演技を見たら仕方ないと思えます。
パトリック・チャン、ボーヤン・ジン、ハン・ヤンと中国系選手が表彰台独占しました。女子は日系で独占したからある意味バランスが取れています(^^;)
しかし、本当に良い試合を見せて貰いました。生中継でなかったことが悔やまれます。